十月の養生法 心臓の症状 心室中隔欠損症について
子どもの先天性心疾患で、学童期の定期健診で発見されることが多い疾患です。
症状としては軽度のものから重症のものとあり、症状としては
①呼吸が荒く回数が多い
②元気がない
③ミルクや食事をとる量が減り体重が増えない
④汗をかきやすいなどです。
このような症状が現れたら重症です。
臨床的には、心雑音が特徴的で新生児検診や乳児検診で発見されることが多く、最近では聴診・心電図よりも心エコー検査が有力になりつつあります。
比較的、症状の出ない心室中隔欠損は、思春期まで気づかれないことが多く、発見されたとしても内科的治療で自然にふさがることもあります。
日本で先天性心疾患として最も多くみられる(60%)のが心室中隔欠損症です。
現代医学の治療法としては、心房の場合は、場所によっては、カテーテルにより塞ぐこともできます。
心室の場合は、自然に塞がるのは小さな穴で5人に一人くらいです。大きな穴は手術によって塞ぎます。
カテーテルは、平らな面の中央に穴がないと出来ないため、大動脈弁などが近くにある心室では難しいのです。
下図の○のあたりで、漏斗部と呼ばれ大動脈弁があるところです。
経過観察をして弁異常があれば手術となります。
東洋医学での考え方は、心室中隔欠損は、元々穴が開いていて胎児期の適当な時期(だいたい4週末)にふさがるものなのに、ならない状態をさします。
ふさがるのを止めているのは、この時期の胎児にとっての強烈なストレスが原因と考えています。
なので当院では、この時期の妊娠中の予防方法として気血を巡らす呼吸法をお伝えしています。
鍼灸では、打鍼と言ってミゾオチあたりのツカエを取り除く方法で予防治療します。母体の上下のバランスが整ってきます。
患者本人に対しては、生後まもなくして判明した場合には、早期に心血(心臓を栄養する気血)の流れを整えていくことが重要で、心臓の穴がふさがるのを助けていきます。
治療法としては、やはり打鍼や古代鍼という刺さない鍼を用いて心臓に関わる経絡、また血の停滞が起こりやすくなり肝臓に負担がかかるので肝臓の経絡も同時に整えていきます。
経験的には比較的予後が良い疾患です。
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