心不全、心筋梗塞、肺炎で入院した高齢者の再入院や死亡のリスクは退院後数ヶ月にわたって高い

心臓病学会の論文

心不全、急性心筋梗塞、肺炎で入院した高齢者の再入院と退院後1年以内の死亡リスクを分析した。


2008~2010年に米国の4,767カ所の病院に入院した65歳以上の患者300万人以上のうち、心不全、急性心筋梗塞、肺炎で入院し、生存退院をした人を対象とした。

 

退院後1年後までの再入院と死亡の発生率は、

心不全で入院した患者で(再入院)67.4%と(死亡)35.8%、

急性心筋梗塞では(再入院)49.9%と(死亡)25.1%、

肺炎で(再入院)55.6%と(死亡)31.1%であった。

 

再入院リスクが50%に減少するのは、

心不全では退院後38日、

急性心筋梗塞では退院後13日、

肺炎で退院後25日であった。

 

死亡のリスクが半減するのは、

それぞれ心不全11日、急性心筋梗塞6日、肺炎10日であった。

 

死亡リスクが最大値から95%減少したのは、

それぞれ心不全21日、急性心筋梗塞19日、肺炎21日であった。

 

心不全、急性心筋梗塞、肺炎で入院した人は、入院していない人に比べ、

再入院リスクはそれぞれ(心不全)8倍、(急性心筋梗塞)6倍、(肺炎)6倍高かった。

 

また死亡リスクは(心不全)11倍、(急性心筋梗塞)8倍、(肺炎)10倍高かった。

したがって、心不全や急性心筋梗塞、肺炎で入院した高齢者は、退院後数ヶ月にわたって、再入院や死亡リスクが高い状態にあることが示された。

 

高齢者は退院後しばらくは経過に気をつける必要があることが示唆された。

 

東洋医学の解説

心不全、心筋梗塞、肺炎等は直接命に関わる最も危険な病気だといえます。

約三ヶ月の間は死亡リスクが他に比べて10倍高かった、このことから心臓、肺などの病気は他の病気に比べて死亡リスクが高い病気だと言えます。

西洋医学的には、心臓は血液を全身に運ぶ作用があり、肺は酸素を血液に取り込み、二酸化炭素を排出する機能があります。


私たちの身体は酸素をエネルギーにして、新陳代謝を行い生きていくことが出来ています。つまり全身に、血液と酸素を巡らせている肺と心臓は最重要臓器なのです。

この心肺を守っているのが横隔膜という筋肉の膜で何層にもなっています。

 

この横隔膜は内臓の壁で守りの要で、身体の抵抗力がしっかりとしている場合には、呼吸という身体活動で機能しています。

 

横隔膜を使った呼吸活動がしっかりと出来ることで、抵抗力のバロメータとなります。

横隔膜をしっかり使った呼吸とは、腹式呼吸です。

 

腹式呼吸が出来ない状態の時は、身体の上下のバランスが取れていない状態で、特に肝臓・腎臓の状態が良くないことを指します。

 

肝臓・腎臓の不安な状態の時は、身体の疲労が激しい時なので、少し歩いても疲れる、食事を摂ってもお腹を壊す、睡眠状態が取れにくいなどの状態になりやすいので、こういう状態の時には、死亡リスクが上昇します。

鍼灸治療は、こういう状態の時に、非常に有効です。

 

肝臓・腎臓の状態を良くして、呼吸を楽にすることができます。

 

呼吸が楽になれば、意識的に腹式呼吸をすることによって、横隔膜のストレッチができるので、さらに心臓や肺の機能を高めることができます。

心不全や、心筋梗塞、肺炎などで入院された場合、退院後に当院の鍼灸治療を受けることで、何事もなかったかのように楽になる方が多いのはそういう理由からです。

 

しかし、そういうことを知られないでいることは、とても悲しいことなので、是非教えてあげてください。

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