カテーテルアブレーション研修セミナーに出席してきました。

 

11月3日(日)に横浜みなとみらいで行われました日本不整脈学会のカテーテル・アブレーション研修セミナーに参加してきました。
今回はすべて資料がなく、スライドでの説明でしたので詳しい話は後日頂ける資料が届いた後にいたします。
 
今日は、ざっと感想を述べたいと思います。
内容は、心臓内科の領域で近年目指しく成果を上げている非観血的な根治的方法であるカテーテルアブレーションという方法を基礎的な説明から臨床例をあげての説明も加えて、また外科医との協力体制なども含めて紹介しているものです。
 
このセミナーは、基礎的な知識のための会場と、臨床的な学術知見を披露していただける会場とに別れていました。
私は、午前中は基礎的な知識を学ぶために基礎的な会場を、午後は臨床的な会場を選択しました。会場には内科医師を中心にパラメディカルの方たちで男性がほとんどでした。
 
午前中の講義の中では、カテーテルアブレーションに必要な解剖学・心電図の新しいというか今では当たり前になっているマッピング(体表面心電図マッピング)という手法について心電図の読み取り方と、具体的な運用方法とに分けて説明がされました。
マッピングというのは、CTやMRIを使わずとも心電図の情報だけで心臓を3D状態で生きているように電気信号の動きが見れるもので、異常な電気信号を起こしている箇所を正確に捉えることができる画期的なものです。
 
その中でアブレーションの良い点と問題点もはっきりとわかりました。
良い点は、非観血的であり人体に対する侵襲度合いが手術と比べてはるかに少ないこと、成功例も確かに多いです。こういうマッピングで異常な電気信号を出すポイントを絞って治療をすれば、患者さんの身体にもかなり負担は軽くなることでしょう。
私ども鍼灸治療の治療も、こういう図解でわかりやすくできればもっと患者さんへ説明がスムーズだろうと思いました。
 
そして、問題点はアブレーションが成功しても症状が再発すると言う患者さんに対してもう一度処置を続ければ完治すると言っていることです。実際に、当院へ来院されている方は、アブレーションを受けても症状が再発し、同じことを繰り返すのは嫌だと言われています。また、かなりの数で食道の炎症や潰瘍などが術後に生じていますし、術者目線でしか発表がされていないのが非常に残念でした。
 
 
午後は、アブレーションの解剖学的な解説や実践的な方法についてお話がありました。心臓内科の医師がどのような治療をしているかが良くわかり、良かったです。
 
その後で、心臓腫瘍などの器質的な疾患を持っている方に対しての外科的処置+カテーテルアブレーションというような合わせ技の紹介がありました。大きさもありますが、何よりも場所が問題だというのは、癌などの疾患の場合は一緒なのだなとつくづく教えていただきました。
 
また、普通は心臓の内膜に対して行う血管からアプローチするアブレーションですが、身体の外から行う心外膜アブレーションもあるということを紹介されました。非常に危険を伴う胸骨の下端際から行うものです。
 
 
 
 
私としては、信頼できる先生にならアブレーションを受けていただきたいと思います。
しかし、私がいう信頼できる先生とは、手術ですべてを取り除くことはできないということをご存知の方です。
 
ストレスは、常にありますので、それが病の根本的な原因だと認識して手術によるストレスを最小限にして頂ける方だと思っております。