風も冷たくなり、冬の気配が感じられる頃となりましたね。この頃に多い心臓疾患としては、寒くて忙しい季節ということも大きく影響して、胸痛を起こされる方が良くおられます。
しかし胸痛といっても、必ずしも心臓疾患とは限らず、また必ずしも心臓の周りに痛みがあるとは限りません。胸痛には、風邪から来る肺の病であったり、肺の元々の病であったり、飲食が過多となって胃腸に負担がかかることが原因であったり、血液などの体液を調整する腎臓や肝臓の機能停滞から起こるものなどもあります。
鑑別は脈やツボの反応で出来ますが、臨床家向けなのでここでは紹介せず、重症の胸痛なのか否かを知る方法と対処法を紹介します。
まず痛む場所を、指一本で押さえることが出来るかどうか、一本で押さえることが出来ればあまり心配ないです。肩甲骨の間の背椎間を広げるようにストレッチを行うと改善してきます。
そうでなく広い範囲が痛む場合には、トントンと叩きたくなるのか、手でジーっと押さえておきたいのかがポイントです。
手で押さえたい場合には、心臓に血液が巡っていない虚血性の場合が多く肝臓や胃腸に滞りが生じている場合が多いのです。
その場合には、その内臓に関連したツボ(下肢の膝や足首の周囲にあります。)の周辺をストレッチすると良くなることが多いです。
叩きたくなる場合には、先ほどと同様に肩甲骨の椎間を拡げるストレッチを行うことをお勧めします。
胸痛は、身体の上部の熱が原因なので、長引くと身体の陰液が消耗し、程度や頻度がきつくなります。この段階では養生だけでは無理なので治療を受けられることをお勧めします。
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あきさん (土曜日, 01 3月 2014 20:46)
昨夜、胸痛が起きました。まさに叩きたくなる痛みでした。その場合は東洋医学ではどのような状態と考えて、肩甲骨の椎間をひろげるのが有効とお考えなのですか?よろしければご教授ください。
中島健慈 (月曜日, 03 3月 2014 14:57)
あきさん、コメントありがとうございます。
夜中に、ピンポイントではなく手のひら大くらいでの大きさで、叩きたくなるような胸の痛みがあったのだと解釈していますが、よろしいでしょうか?
そうだと仮定すると、東洋医学では、胸痛に限らずその場所において気の停滞があると考えています。心臓自体に疾患がある場合には、あまりそういう現象は起こらず、むしろ手で押さえたくなるような状態となると思います。
肩甲骨周囲の椎間というのは、気の停滞が顕著に表れてきます。(圧痛がある場合は特に) なので、椎間をひろげると気の停滞が解消されてくるということです。
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