三月 心臓の症状 手足の痛みについて

三月の養生法  心臓の症状  手足の痛みについて

 

 春の陽気が一段とはっきりしてくるこの時期、手足が痛む方が多くなります。

これは陽気が、寒さのために内臓の方にこもっていたのが、経絡上の手足に浮き出てきた状態です。

 

なので、温かくなりきれば自然と治っていくものですが、毎年春や秋の季節の変わり目になると、手足が痛むという方がいます。

 

そういう方は、身体の横を巡っている胆経という経絡が滞っていることが多いのです。胆経は胆のうの経絡で、胆のうは肝臓と密接な関係があります。

 

消化液である肝臓から作られる胆汁を胆のうへ貯蔵している働きがあります。肝臓が熱をもって過剰に働き過ぎると、胆汁の生産も過剰になり、胆のうが胆汁にいっぱいになり、胆経もそれに合わせて滞りやすくなります。

 

春は、肝臓の経絡が熱を持つ季節です。寒い冬の時期から温かくなってくると、筋肉が緩むので血流が良くなり、寒い時期と比べて緊張が緩むので一気に肝臓が解放されて、肝臓の経絡上に痛みやこり、痒みやけいれんなどとして現れてきます。

 

肝臓の経絡は、頭のてっぺんから目や口の中、肺や胃、生殖器や直腸や膀胱、下肢の内側から下腿部の骨の際を通って足の親指の上までいきます。

 

そして、密接な関係の胆のうの経絡は、身体の横側を頭の上から耳の周囲、目の周囲、頬、肩、脇、側腹部、股関節腰部、大腿部外側、膝から下足の甲から外側3本の指へと流れています。

 

このように真横を流れているために、胆のうの経絡が滞ると、左右のバランスが崩れて片一方に痛みや強張り、痒み、だるさ、シビレなどの不調が生じます。

 

心臓疾患などの、病が重篤な症状では、深い部分で滞っているので、治療が進んでいくと、心臓の経絡から、肝臓の経絡へ、さらに良くなると胆のうの経絡へ、滞る経絡が変化していきます。

 

例えば、ファブリー病という遺伝子異常が原因とされている病も、心臓疾患や手足の痛みを訴えます。直接の原因は、染色体異常で、体内に不要な糖質を溜めこんで実に様々な症状を起こすのですが、胆経を鍼灸・気のストレッチなどで整えることによって良好になっていきます。