十二月の養生法 心臓の症状   心臓弁膜症について②

今回は、先月に続き心臓弁膜症についてお話しします。

 

心臓弁膜症の症状とは・・・

 

1.身体がだるく疲れやすい


2.運動時に呼吸が苦しくなったり、息切れがする。


3.咳が止まらない


4.動悸がする


5.時々足がむくむ時があるそしてきつくなると


6.安静時でも息切れがする


7.夜寝ている時に、息苦しさを感じる


8.胸が痛くなることがある


9.食欲不振や、肝臓のあたりが重く感じられる


10.失神したことがある


11.血痰が出たことがある


12.高い熱が出る、微熱が続く

後半の⑥以降の症状になるとかなり積極的な治療が必要になってきます。東洋医学の治療としては、前回にお伝えした虚実の概念が基本になります。

 

図の解説

●身体の状態実で心臓の状態実→心臓や肝臓の経絡を通じさせる治療が必要

 

□身体の状態虚で心臓の状態実→身体をまず充実させる治療の後に心臓の経絡を通じさせる治療が必要。

 

☆身体の状態実で心臓の状態虚→心臓の状態を充実させる治療を行う。

 

〇身体の状態虚で心臓の状態も虚→身体をとにかく充実させる治療のみ行う。

 

前半の症状①から⑤までは、●や☆の状態で、身体の状態は実です。

 

なので心臓に関わる経絡の虚実をしっかり判断して施術します。

 

ただ、似たような症状で心臓に影響が少ない場合もあります。多くは肝臓の経絡に滞りがある状態で、この場合はその流れを良くすることで治っていきます。

 

後半の⑥から⑫のうち、⑥⑦⑩は〇の全体的に虚の状態なので非常に重い可能性があり、身体全身および心臓自体の陰陽どちらのエネルギーを補う必要があるのかを見極め行います。

 

それ以外は●や☆や□で、当院で治療する際には、脈診や体表観察を慎重に判断して、実なら滞りを取る治療を、虚ならエネルギーを充実させる治療を行います。

 

養生法としては、〇(身体も心臓も虚)以外の状態の時に、下肢の気を出すストレッチが基本になります。