七月の養生法 心臓の症状 高齢者のうつ病について

七月の養生法 心臓の症状   高齢者のうつ病について

 

今月は、ここ近年非常に多くなっている高齢者のうつ病について話していきます。

 

高齢者のうつ病は、生きる意欲の低下を招き、実は心臓病をいつの間にか患っていることも多く、見逃されがちになります。

 

若い世代のうつ病と比べてさまざまな喪失体験がきっかけとなりやすいのです。


具体的には

①高齢化による身体・知的機能の低下

②配偶者や子供・知人・友人との死別・別れ

③定年退職による社会的役割の喪失

④精神的安定の欠如 過度に病気でないかと心配をする、

心臓が動いていない・胃の中に虫がいるなどのような妄想をする、実際にはお金があるのに、全くお金がないという貧困妄想、自分が罪深い人間だと思いこんで自責の念にかられてしまう罪業妄想などがあります。

 

その他

⑤経済的な基盤の喪失

⑥社会的サポートの喪失 ※男性より女性が比較的感情的になりやすいのでリスクが大きい ことが原因として挙げられます。

 

また、認知症と間違われやすく、その鑑別ポイントは、朝ごはんを食べたかどうかがわからないなどのひどい物忘れが見られないということです。


認知症は脳の変性などが原因の病気ですが、うつ病は心身のバランスの不全が原因の病気です。

 

心身のバランスの不全とは、高齢者の場合は、身体のお腹から下、下半身の氣の停滞が原因で起こります。

 

当院での治療は、下半身に停滞している氣の流れを改善していくことなので、腰や膝、足首にあるツボを2・3箇所用いて、鍼灸治療をします。

 

以下の項目が目立つ際には、当院までご相談ください。

 

・食欲がなくなった
・好きなテレビを観なくなった
・出かけることが少なくなった
・笑顔が少なくなった
・落ち着きがなくなった
・便秘がちになった・不眠を訴えるようになった
・不安や焦燥感を口にする
・特に悪いところはないのに身体のどこかが悪いと悩む

 

気持ちの持ち方について、一言言わせていただくと、うつ病全般に言えることですが、死生観を根本から変えるわけではないのですが、ある91歳の岡山に住む男性の方は、長年演劇をしたいという願望を抱いていました。

 

その方は、ある目立たないけれども熱い思いを持った介護士の青年と出会い、劇団オイボッケシという劇団を造り、花形スターとして岡山で活躍されています。

 

このように、何歳になっても心に意欲を持ち、刺激を受けるには、やる気を持っている方と出会い、自分のそれまでの枠を超えて新たな自分自身の素晴らしいところを見つけることが、一番の近道です。

 

鍼灸治療はあくまでも身体のサポートをして心身の調整を助けていきます。