今回は「脳と姿勢バランスの関係」についてです。
高齢者では、自覚症状がないまま脳卒中となります。
一見するとなにげなくやっているようですが、私たちの脳は一度に多くの情報を処理できるようにできています。
脳が処理している情報のもっとも大事なものの一つが姿勢の維持です。
自分が意識的に姿勢の維持ができないなら脳の病気が疑われるということです。
自覚症状のない脳の病気とは無症候性脳血管病変といわれ、脳室周囲病変、ラクナ梗塞、微小出血などがあり、
脳の認知機能(理解、判断、思考、言語)とも姿勢の維持は関連しています。
目を開けて、片足立ちをしてみてください。
もし片足立ちの保持時間が20秒未満の人は、要注意です。
この片足立ちができない人は脳の病気であるラクナ梗塞、微小出血、脳室周囲病変の重症度が高かったというデータがあります。
片足立ちでバランスをとるというのは、脳の機能の低下とともに衰えてくるものです。
脳の機能の低下は老化だけではなく、脳血管病変によっても起こります。
バランスがとれない=脳の機能低下=脳血管病変という事です。
身体のバランスをとる能力を見ることで、これらの脳の機能低下および脳血管病変を早期発見することができます。
東洋医学的にみると、脳の病変は体の上半身に氣が上がって偏っている状態が続いていることから起こります。
氣が上がって頭の内部に熱が慢性的にこもると、まず血管が大量に血液を頭に送って熱を冷まそうとします。
それが肝臓の負担がかかるなどして血液が送れなくなると、脳内の滞る慢性的な熱が組織を傷めていきます。
脳の組織自体は脳脊髄液と関係が深くて、脳脊髄液は腎臓と関係が深いです。
脳と腎臓は非常に関係が深く、腎臓は腰とも関係があるので、片足立ちなどで不安定になるというのは
腎臓自体が弱っているのです。
腎臓が弱る原因は、慢性的な熱がある場合にそれを冷ます体液の役割をしている精が熱のために消耗してしまうことで起こります。
つまり、脳の病変は慢性的な熱が原因で腎臓に影響して脳脊髄を減少させることで生じるのです。
慢性的な熱の原因は、さまざまなものがありますが、精神的なストレスによるものは根が深く、脂濃い物の過食につながりさらに熱を生みますので、出来るだけ持続させないように、ストレスを解消し排泄を促すことが大切です。