今回は「コレステロールの新常識」についてです。
コレステロールとはヒトのあらゆる組織の細胞膜に見出される脂質である。
コレステロールはそれを生産する臓器である肝臓や細胞膜、小胞体のような膜組織が密集している脊髄や脳、に高濃度に分布している。
成人の体内コレステロール量である100-150gのうち約1/4が脳に集中し約1/3が脳を含めた神経系に集中している。
コレステロールの取り過ぎが健康に悪いと言われたのは、1960年ぐらいからである。
当時はコレステロールという名前自体が珍しかったが、食事が洋風になり、動物性の油を採るようになったので、
注意が必要だという噂が広まり、脂身の肉、コレステロールを多く含む卵などを注意するようになった。
しかし、コレステロールの研究が進んでくると、1990年頃からそれまで血管に血栓などを作ると考えられていたコレステロールが、
実は損傷した血管や細胞膜を修復することがわかり、2種類のコレステロールを「善玉、悪玉」に分けて報道や説明が行われた。
21世紀に入ると、コレステロールは体内でほとんど合成し(体内合成率は80%といわれ、食事からは20%)、
食事の種類を変えても体内のコレステロールは変化がないこと、コレステロールが減るとがんや認知症になる可能性が示唆され、
「コレステロールは悪」から「コレステロールは必須」に変わっていった。
そして、2015年5月、「コレステロールは食事では変わらない。病的なコレステロールの異常な人は治療が必要だが、一般の日本人はコレステロールが180から260の範囲にあり、治療は不要である」となったのである。
『武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」』より一部抜粋
時代は変わるものです。
それは最先端の西洋医学でも例外ではないです。
昔は悪いと思われていたものが、実は良かった・・・、こんな話は結構あります。
みなさんよく「コレステロールが高い」といわれている人は、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が高いのです。
この悪玉コレステロールが、血管を詰まらせ、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが上がるのです。
逆に善玉コレステロール(HDLコレステロール)は、悪玉コレステロールを血管や血液中から肝臓に戻す作用があります。
コレステロールも名前の通り、善玉を増やして悪玉を減らすことが大事だということです。
しかし、昔は食事と関係されるといわれていたコレステロールも体内で8割が作られるということがわかりました。
ということは、食事だけでは善玉、悪玉コレステロールをコントロールできないということになります。
体内の合成が80%をしめるということは、その人の体質がコレステロールに関係してくる・・・ということになります。
人間の体質を変えるには、生活習慣を変えることが一番です。
運動、食事、心の持ち方などを変えることによって、徐々に体質が変わってきます。
当院の講座でこれらをお伝えしていますので、是非いらして下さい。