座りっぱなしは体に悪い
座りっぱなしでいることが死亡率の増大と関連することがアジア太平洋心臓病病理学会で言われています。
座るという動作もバランスがいい状態で座れると、疲れにくく長い間座れるのですがバランスが悪いとすぐに疲れてしまいます。
バランスが悪く姿勢が崩れると、身体の筋肉、内臓に負担がかかり疲れが増してきます。
疲れがたまった状態では健康に悪いのは当然ですね。
バランスが悪い姿勢というのは、身体の真ん中でバランスを取っている脾臓の調子、すなわち胃腸の働きが悪い場合が大半を占めます。
つまり座りっぱなしでいると、胃腸に負担がかかってくるということです。
大腸に気が停滞し便秘になりやすくなり、胃に気が停滞してその裏側の背中に痛みが出たり、胃重感や胃痛になったりしてきます。
東洋医学的には、座りっぱなしは脾臓の問題になりやすいものです。
脾臓というのは、消化吸収の内臓であり、また身体の中心で身体のバランスを取る上で重要な働きをしています。
座りっぱなしの1時間のうち2分間を、歩行や掃除などの軽度の運動を行った場合には死亡リスクが33%低下したということが言われています。
手足を動かすことで脾臓は身体の調子を整える働きをしています。
その中でも歩くというのは人間の簡単でもっとも効果のある運動だといえます。
なので、座りっぱなしを少しでも解除すると胃腸の滞りが減少してきます。
胃腸の停滞から横隔膜を経由して心臓の気の停滞が及ぶと、心臓への負担がきつくなり健康リスクが上がるので、それも減少してきます。
また、「ふくらはぎは第二の心臓」と言われています。
人間は下半身に血液の70%が集中するといわれ、その血液を下から上に送りだすのに筋力の力を使う必要があります。
足の筋肉、特にふくらはぎを使うことでその動きがスムーズになり、全身の血液の流れがよくなり疲労が解消されるのです。
これは東洋医学で考えると、ふくらはぎは腎臓の経絡が負担を感じた時に、停滞する場所なのです。
腎臓は尿を作り出し腎精を貯蔵している所ですが、この腎精は身体の修復に使われる万能細胞で、身体のあるゆるところに用いられ、消耗しやすい内臓です。
疲労というのは、気の停滞の状態のために熱が生じてそれが腎精を消耗させている状態です。
同じ姿勢をし続けているとよけいに氣の停滞を生み、そのため腎精が消耗し疲労を生みます。
なので座りっぱなしをすると疲労するわけですが、このふくらはぎを使うことで腎の経絡が活性化し腎臓の働きが良くなっていくわけです。
このようにみていくと、脾臓と腎臓は非常に疲労との関わりが強いことがわかります。
そして歩くこと=ふくらはぎを良く動かすことが座りっぱなしの疲労=生命へのリスクを解消し、心臓への負担も軽減するということもわかります。
ただ歩くだけではダメで、氣を出す歩き方がとても大事です。