【身体のためのほっと一息シリーズ115】

基準値以下の高血圧でも心不全リスクは高い

 

心不全および心房細動の患者数は世界的に増大している。

 

2017年に米国心臓病学会(以下、ACC)および米国心臓協会(以下、AHA)が高血圧の診断基準値を引き下げ、収縮期血圧を 130mmHg 以上、拡張期血圧を 90mmHg 以上とし、

 

ステージ 1 高血圧を収縮期血圧 130~139mmHg/拡張期血圧 80~89mmHg、

 

ステージ 2 高血圧を同 140mmHg 以上/90mmHg 以上と定義している(日本の高血圧診断基準値は同140mmHg 以上/90mmHg 以上)

 

しかし、これらの基準値の妥当性については議論が続いている。

 

そこで本研究では、ACC/AHA の定めるステージ 1 高血圧の患者における心不全および心房細動の発症リスクについて検討した。

 

2005~2018 年に日本の健診・レセプトデータベースに登録され、降圧薬の内服や循環器疾患の既往のある人を除外した 2,196,437 例(平均年齢 44 歳、男性 58.4%)を対象に解析した。

 

ACC/AHA の基準に従って対象者を正常血圧(収縮期血圧 120mmHg 未満かつ拡張期血圧 80mmHg 未満)群、正常高値(同

120~129mmHg かつ 80 mmHg 未満)群、ステージ 1 高血圧群、ステージ 2 高血圧群に分類し、経過観察を行った(平均観察期間 1,112 日)。

 

観察期間中に 28,056 例の心不全、7,774 例の心房細動が確認された。

 

各群の心不全および心房細動の発症リスクについて、年齢、性別、高血圧以外の危険因子を補正したハザード比は

 

正常血圧群に対してステージ 1 高血圧群ではそれぞれ 1.3 倍、1.21 倍、ステージ 2 高血圧群では2.05 倍、1.52 倍であった。

 

今回の結果から、ステージ 1 およびステージ 2 高血圧であっても心不全や心房細動のリスクが高くなる可能性が示唆された。

 

ACC/AHA で定めるより低い高血圧基準値は、心不全や心房細動の発症リスクが高い者を把握するのに有用であるかもしれな

い。

 

 

東洋医学では未病という概念があります。

 

高血圧は血管に炎症が起こっているため血管が硬くなって、弾力が無くなると血圧が上がってきます。

 

基準値以下の高血圧でも、高血圧があるということは熱が身体の中に内在してます。

 

この熱が溜まっているということは、それだけで心臓病のリスクが上がってきます。

 

当院ではこの未病に対しても、脈診、舌診、腹診などを駆使して治療にあたります。

 

未病を解消すると生活が楽になっていきますよ。